本気で生きているか
離島巡りに挑戦できるように歌を歌えるようにしてくれたのは師匠のルチアーノ・ベルタニョリオ先生というイタリア人の先生でした。外国人と日本人の発声の違いの壁にぶち当たっていたときに出会いました。レッスンの最初の日、先生の前で歌った後言われたのは、「宮良、おまえ本気で生きているか」ということでした。 「本気で生きていないのなら即刻歌を辞めろ」と言われました。「本気で生きていない人間が、何の楽器も通さずに自分の身体の中から出る声で、人を感動させることができるのですか。表現することが出来るのですか。」 この1時間のレッスンで今までの全ての疑問が解消されました。ここから私は先生にゼロから全て教わりました。離島巡りは、この先生から教わった全ての技術と、体力の勝負だなと思いました。
小浜島でのコンサートでは1日3ステージの大変なスケジュールでした。公民館の入口に、おじいさんが立っていました。「今日私、公民館で歌うから来てよ」と声を掛けました。耳の悪いおじいさんでしたが、音楽は耳で聴くだけではなく、心で感じるものです。おじいさんに何か感じて欲しいと思ったのです。コンサートでは一番前でたくさんの拍手をしてくれているそのおじいさんがいました。てっきり70代だと思っていたそのおじいさんは、なんと92歳だったのです。 公民館で歌っていると、窓を閉め切っているのですが、何か風のようなものを感じるのです。それは皆さんからの想いでした。「無事に全工程終えることができたのは皆さんのおかげだ」と心から感じ、感謝しかありませんでした。 言い続けていれば必ず叶う 私のおばあちゃんの妹は開拓移民として家族でボリビアに渡りました。小さい頃の私はただ「海外に行けていいな」程度しか思っていませんでした。別れの日、なぜ悲しい目をしているのかもわかりませんでした。 家もない、水もない、食べ物もない中からのスタートでした。飲み水はどうしていたと思いますか。ガーゼを泥水が溜まったところへ浸してそれを飲んでいたそうです。これを聞いたのは高校生の頃でした。私は「いつかボリビアに行って歌で皆さんにふるさとの風を届けに行くんだ」と決心しました。そこから出会う人に「私はボリビアに行きたいんです」と話しました。そして2005年1月にある会で、ボリビア大使と出会い「ご協力をお願いします」と話し、結果12月にボリビアに行くことになったのです。20年言い続けやっと叶いました。言い続けていれば必ず叶うものだとこの時感じました。
私がひとつ言えることは本気で生きて、好きなことを一つ見つける。そして、最大限、自分のできる限りの努力をするということです。そうすれば、もし目的が達成できなくても必ず皆さんの糧になります。私がそれを体験しています。それを皆さんと共に励ましあいながら歩んでいければいいなと思っています。
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